栃木SCのことをより考えるブログ

主に栃木SCの試合分析(レビュー)をします。

【栃木SC】チーム編成についてアレコレ考える その② 〜MF、FW編〜

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みなさん、こんにちは。

最近バスケットボールBリーグの面白さに見る見るうちに虜になっているYOSHIKIです。

 

バスケットボールのルールにはあまり詳しくありませんが、ところどころサッカーにも通ずるテクニックや戦術が見られるところはやはり面白いですね。ライブ感のあるアリーナ演出も魅力の一つだと思います。

 

 

それはさておき、話題をサッカーシーンに移せば、もう今月末にはJリーグの新たなシーズンが開幕します。

各チームのキャンプやトレーニングマッチの情報、SNS等を通じた選手やサポーターの声を聞くと、新シーズンに向けた機運が徐々に高まってきているのが感じられます。

その機運をより一層高めるべく、今回も前回に引き続き栃木SCのチーム編成についてアレコレ考えていきます。今回はMF、FW編です。

 

前回の記事(その① ~GK、DF編~)をまだ見ていない!という方はこちらから!!

 

◾MF

CH

・5 へニキ 29歳/182cm/79kg/38試合0得点/2年目

・6 古波津 辰希 25歳/174cm/76kg/9試合0得点/4年目

・14 西谷 優希 25歳/165cm/60kg/17試合0得点/2年目

・17 山本 廉 19歳/180cm/77kg/14試合1得点(東北1部)/2年目(復帰)※和歌山(関西1部)へ育成型期限付き移籍(2/16付け公式リリース)

・20 岩間 雄大 33歳/178cm/71kg/34試合1得点/新加入

・26 枝村 匠馬 32歳/176cm/71kg/26試合1得点/新加入

・40 寺田 紳一 33歳/171cm/68kg/2試合0得点/2年目

CH(センターハーフ)はいわゆるボランチ、中盤中央に位置取る選手のことを指します。

守備ではDFの前でフィルター役になり、またパスの中継地点として攻撃の起点になることから、チームの心臓部分にあたる核とも言えるポジションです。

 

昨季はへニキと岡﨑がともに30試合以上に出場し、両者とも獅子奮迅の活躍を見せました。しかし今オフは岡﨑が退団(モンテディオ山形へ移籍)。監督も変わりスタイルの移行に取り組むなか、ユニットの補完性が重視されるCHのレギュラー争いは一度リセットされたと言えるでしょう。

 

新たな軸になりそうなのはこの選手。松本山雅から加入した経験豊富な苦労人、岩間雄大です。昨季は松本で34試合に出場しチームのJ2優勝に貢献するなど主力級の活躍を見せました。正直栃木に来てくれるとは思っていなかったので、公式サイトのリリースを三度見くらいした覚えがあります。中盤の潰し屋としてJ2でも呼び声高い選手なので、栃木の新たなストロングになってくれるでしょう。

 

再起を誓う寺田にも注目です。昨季はプレシーズンに負傷し、ようやく試合に出場できたのはシーズンも終盤の第41節でした。少ないプレータイムのなかでも自身の役割を理解し高い水準でこなしていくプレーは圧巻でしたが、それだけに年間を通した活躍を見たい選手の1人でした。今季は怪我の再発を防ぐためにプレシーズンのトレーニングを慎重に行っているそうです。復活したJ2屈指のマエストロがどのように魅せてくれるのか楽しみです。

 

昨季からの変化と言えば、今季は西谷優希がCHとして計算されていることでしょう。昨季は夏場に加入後、主にシャドーのポジションで起用されましたが、今季は一つ後ろのポジションで計算されているみたいです。栃木サポーターからすれば、今季はよりツインズの絡みが見たいところ。

 

上記の他にも、無尽蔵のスタミナとフィジカルが売りのへニキ、危険なボールを捨て身でクリアするだけでなく大黒へのキラーパスも習得中の古波津、相手のブロックを的確に刺していくパスが特徴の山本、など個性派揃いのCHの面々。

田坂監督はおそらく2CHを採用するだけに、毎節どの2人が選ばれるのか、あるいは意外な選手のコンバートがあるのか、日々のレギュラー争いが熾烈になりそうです。

 

※宮崎キャンプも中盤の2/7、昨季まで清水エスパルスでプレーした枝村の獲得を発表しました(昨季は福岡にレンタル)。公式戦通算400試合以上の出場を誇るベテランはかつての恩師に招かれるように練習生としてチームの始動期から帯同。キャンプ前のトレーニングマッチでも違いを見せ、ついに正式契約を結びました。練習では主力組に加わっているようなので、昨季の田代のように開幕スタメンも十分ありそうですね。

 

攻撃的MF(SH、シャドー、トップ下)

・8 廣瀬 浩二 34歳/166cm/64kg/0試合0得点/10年目

・10 西谷 和希 25歳/165cm/65kg/40試合6得点/4年目

・11 平岡 翼 23歳/165cm/62kg/29試合7得点(J3)/新加入

・13 ヴィニシウス 22歳/177cm/70kg//新加入

・16 榊 翔太 25歳/163cm/61kg/13試合0得点/3年目

・21 大﨑 淳矢 27歳/168cm/64kg/32試合2得点/新加入

・32 荒井 秀賀 19歳/170cm/68kg/16試合11得点(東北1部)/2年目(復帰)

・34 早乙女 達海 19歳/174cm/69kg/14試合20得点(東北1部)/2年目(復帰)※弘前(東北1部)へ育成型期限付き移籍(2/16付け公式リリース)

・37 浜下 瑛 23歳/164cm/61kg/30試合2得点/2年目

4-2-3-1なら「3」、3-4-2-1なら「2」の位置にあたるのがこのポジションになります。

どの型を採用するかは開幕するまで分かりませんが、トレーニングを見た限りでは、一方をベースにしそうな感じはします。オプションとしてもう一方を用意してくるということも、様々な戦術に明るい田坂監督であれば十分考えているでしょう。3バック⇔4バック変換に適応可能なCBがいる点も大きいです。

 

いずれにしても、このポジションは質量ともに十分な戦力が揃ったと思います。新加入選手が複数いる点からも、昨季の課題且つ今オフの補強ポイントだったことが窺えます。

 

やはり今季も軸になるのは新10番、西谷和希でしょう。昨季はチーム最多の40試合に出場し、同じくチーム最多のアシスト数(5)、ドリブル数(134回=リーグ5位)、スルーパス数(95回)を記録するなど攻撃面でチームを牽引しました。

また、昨季後半戦になり5-4-1を採用してからは、前半戦に比べると低い位置でボールを受けて運ぶドリブルや大黒へのスルーパスを行う回数が増えたイメージがあります。

後方重視になった影響が大きいとは思いますが、スペースメイキングよりはボールに触れることでリズムを生み出す選手なので、今季も遅攻の際は下りて時間を作りながら周りを動かしつつ自分も生かされる、といったプレーが増えるかなと思っています。

 

他の選手に目を向けると、昨季の出場数や実績を考慮すれば、レギュラー争いは浜下や大﨑がセカンドチョイスになるでしょうか。ともに昨季は30試合ほどに出場しており、プレシーズンのトレーニングを見ても好調を維持している印象です。ただ、田坂監督は昨季福島で高卒ルーキーの選手を全試合に出場させるなど、若手の起用にも積極的であることから、フィットネス次第では10代の選手たちにも十分チャンスはあると思います。

 

ボールが頭を越えていく展開が多かった昨季に比べて、今季はより緻密なポジショニングや正確な技術が求められます。まずはこのスタイルにどうアジャストしていくかが、出場機会を得るための大きなポイントになりそうですね。

 

◾FW

・9 大黒 将志 38歳/178cm/73kg/40試合12得点/2年目

・19 大島 康樹 22歳/177cm/66kg/29試合10得点(J3)/2年目(復帰)

・41 本庄 竜大 19歳/178cm/72kg/14試合7得点(東北1部)/2年目(復帰)

昨季のメンバーで残留したのは大黒のみ。大島、本庄は便宜上2年目と表記していますが、栃木SCの(トップチームの)選手としてプレーするのは今季が初めてになります。

 

今オフ最も大きなトピックスのひとつと言えば、大黒将志の完全移籍加入でしょう。昨季のチーム得点王は契約を期限付き移籍から完全移籍に切り替え、今季は正真正銘栃木の大黒としてプレーします。

大黒の凄みはなんと言ってもゴールへの嗅覚。年齢とともに衰えるどころか研ぎ澄まされていっているような感じさえします。若いアタッカーが多い栃木にとって彼の存在は非常に大きいと思います。

また大黒の存在は中盤の選手にとっても大きな意味があります。昨季ボランチの一角を担った岡﨑は針の穴を通すようなキラーパスを大黒から常に求められたことで、替えのきかない絶対的な選手に成長しました。

仲間を成長させながら自身はゴールを決め続けることで存在感を放ち続ける「さすらい」もとい「栃木」のゴールハンター。ピッチ内外での彼の振る舞いは、今季も栃木にとって大きな意味を持つと思います。

 

その大黒からトップのポジションを奪うべく虎視眈々と狙っているのが、今季から栃木に合流した大島。昨季はJ3の群馬で10ゴールと、下から4番目の得点数だったチームで違いを見せつけました。またその全てがワンタッチゴールであることも話題になりました。昨季はハットトリックも記録しています(J3第11節 vsFC東京U-23 戦)。

まずはベンチから出場機会を伺うことになると思いますが、少ない時間でゴールに直結する仕事ができると、FWの層がより厚くなってきそうです。

 

本庄については、他の10代選手と同様にまずはベンチ入り争いに絡んでいくことが求められます。ただ彼の場合は競合するライバルに似たタイプの選手がいないという利点があります。178cm、72kgという数字以上に見えるがっしり体格は、良い意味でチームで差別化が図れています。今シーズンの目標に「10ゴール10アシスト」を掲げるように、強気なプレーを見せてほしいと思います。

 

◾最後に

ということで、2回にわたって今シーズンのチーム編成について見てきました。

とりわけ厳しいスタートとなったオフでしたが、なんとか形になり、層の厚さも全体のレベルも一回り大きくなったような気がします。ここからは練習や試合を通して練度を高めていくことで、もう一回りも二回りも大きくなってほしいと思います。

今季チームが目標としているのはプレーオフ圏内の6位以上です。他のJ2のチームもそれぞれパワーアップして臨んでくるだけに、この目標を達成するのはそう簡単ではありません。ただ、実現不可能な目標ではまったくありません。「やってやろうじゃないか」のメンタルが大事です。

 

そんなこんなでもう開幕まで2週間。

開幕戦は2月24日(日)ツエーゲン金沢戦。会場はホーム、グリーンスタジアムです。

新生栃木SCの新たな船出を後押しするべく、ぜひ多くのサポーターでグリスタを黄色に染めましょう!