栃木SCの2020シーズン戦力分析第二弾。今回はDF(CB、SB)編です。
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DF
■CB
2 伊藤 竜司 29歳/188cm/84kg/0試合/2年目
4 髙杉 亮太 36歳/182cm/71kg/16試合1得点/新加入(長崎)
23 柳 育崇 25歳/188cm/86kg/1試合0得点/新加入(新潟から期限付き移籍)
30 田代 雅也 26歳/185cm/80kg/28試合3得点/3年目
35 池庭 諒耶 22歳/186cm/80kg//新加入(青森学院大学)
OUT▶︎
・坂田 良太(引退)
・森下 怜哉(期限付き移籍期間満了)
・藤原 広太朗(鹿児島へ期限付き移籍)
・乾 大知(期限付き移籍期間満了)
未発表
・メンデス
求められるのは闘う姿勢と突き上げ
昨季はシーズンを通して3バックと4バックを併用したことで多くの組み合わせが試されたCB。森下怜哉、藤原広太朗、乾大知と実力者の退団が目立つオフとなりましたが、劇的残留のアイコンになった田代雅也が残留し、また長崎から髙杉亮太、新潟から柳育崇らが加入したことで最低限の戦力維持はできたと言えるでしょう。
昨季終盤からの継続路線を掲げる今季、CBには相手との1対1やハイボールの処理で負けないこと、状況に応じたラインコントロールなど、CBとして基本的なスキルがまず第一に求められます。
もちろんCBだけで守るのではなくチーム全員で協力して守るわけですが、今季も守備に回る時間が長くなることが予想されるだけに、CBがゴール前でどれだけ存在感を発揮できるかが鍵になるでしょう。昨季田代が体を張ってゴールを守り、プレーで味方を鼓舞してきたように、多くの選手が闘う姿勢をもってプレーできれば誰が出場しても遜色ないチームとしての安定感が生まれてくるのではないかと思います。
スタイルへの適応性やパフォーマンスレベルを考えればCBのファーストチョイスは田代と髙杉になるでしょう。
新加入の髙杉はJリーグ通算300試合以上の出場を誇る鉄人。様々な監督のもとで試合出場を重ねた豊富な経験値は、スタイルの徹底を目指す栃木においてもアドバンテージになるでしょう。これまでの経験を活かしつつ、また若い選手たちに還元することで、自身の価値を高めていってほしいところです。
不安材料を上げるとすればサブ組の経験値が少ない点。伊藤竜司や柳はJ2での出場歴がほとんどありませんし、池庭諒耶は大卒ルーキーの選手です。CBはポジション柄イエローカードを貰いやすいポジションですし、髙杉の年齢的な面を考えても長いシーズンをファーストチョイスの2人のみで乗り切れるとは考えづらいものです。
サブ組にはそれぞれが抱える課題と向き合いながら、レギュラー選手の出場停止や疲労の溜まる夏場などに備え、トレーニングからアピールすることでチャンスをものにしてほしいと思います。現状、ファーストチョイスとのレベル差はあると思いますが、CBが育ちやすい土壌を味方にし、逆に彼らが先発の座を揺るがす突き上げを見せることでチームのクオリティを高めていってほしいと思います。
■SB(WB)
6 瀬川 和樹 29歳/178cm/68kg/31試合0得点/2年目
7 菅 和範 34歳/177cm/75kg/9試合0得点/9年目
15 溝渕 雄志 25歳/172cm/66kg/0試合(J1)/新加入(千葉から期限付き)
28 温井 駿斗 23歳/177cm/70kg/5試合0得点/3年目
33 黒﨑 隼人 23歳/182cm/77kg/0試合/2年目
OUT▶︎
・久富 良輔(藤枝)
・福田 健介(契約満了→おこしやす京都AC)
・川田 拳登(期限付き移籍期間満了)
・川上 盛司(契約解除)
攻守の質に大きく関わるポジション
守備では最終ラインの一員として自陣サイドを突破されないよう粘り強い対応が求められ、攻撃ではライン際を駆け上がる走力とクロス精度が求められるSB。攻守両面に関わるSBのタスクは非常に多岐にわたるため、SBの出来は直接的にチームのクオリティを高めることに繋がると言えるでしょう。
左SBは今年も瀬川和樹が絶対的なレギュラー候補の一人。夏に山口から加入した昨季は、攻守ともにアグレッシブな姿勢で残留に大きく貢献。一列前のSH大﨑とともに制圧した左サイドは終盤の栃木のストロングポイントになりました。キック精度の高さも一級品であり、記録した3つのアシストは全てCKによるもの。プレシーズンのトレーニングでも仕上がりの度合いが非常に高く、開幕からフル稼働の予感が漂います。
次点を争うのが温井駿斗と菅和範。温井にとっては自身の特徴をそのまま高めた瀬川の存在は非常に大きいですが、在籍3年目となる今季こそはどうにか定着してほしいところ。シーズンが長丁場であることを考えれば、不調期にチームを立て直す精神的支柱になれる新主将菅の存在も見逃せません。
どれだけ監督の構想に入っているかは未知数ですが、FW榊翔太やMF西谷優希もこのポジションで出場する可能性がわずかにあります。いずれにせよ、既存戦力を軸にクオリティと一定の層の厚さは確保できているだけに、大きく崩れる心配は少ないポジションなのではないでしょうか。
左SBとは対照的に流動的なオフを過ごした右SB。昨季出場時間を大きく二分した久富と川田が退団し、新たに千葉から溝渕雄志が加わりました。
現状ファーストチョイスの予想が最も難しいのがこの右SBではないかと個人的に思っています。主力の退団が目立ったなかで新加入の溝渕への期待は当然集まりますが、昨季リーグ戦の出場機会がなかったという点で試合勘への不安はどうしても拭えないところ。ルーキーイヤーを怪我によるリハビリにあてた黒﨑隼人も同様です。本職以外の選手でいえば、高いユーティリティ性が武器の和田達也や新潟でのプレシーズンで右SBのトレーニングも行ってきた柳育崇が入る可能性もあるでしょう。
絶対的な選手がいないという現状は、裏を返せば実力が横並びで誰が出場してもおかしくないということを意味します。誰が開幕スタメンを勝ち取るか、シーズン中に思わぬ台頭があるか、など未知数な部分が多いだけに楽しみや期待も高まるのが今年の右SBになるのではないでしょうか。
DF(CB、SB)編はここまで。MF編、FW編も開幕までに更新していきますので、ぜひご覧ください!