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【栃木SC】チーム編成についてアレコレ考える④(MF編)

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 栃木SCの2020シーズン戦力分析。今回はMF(CH、SH)編です。

 

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MF

■CH(ボランチ

5 岩間 雄大 34歳/178cm/71kg/11試合0得点/2年目

8 明本 考浩 22歳/170cm/65kg//新加入(国士舘大学

13 禹 相皓 27歳/174cm/74kg/15試合0得点/新加入(愛媛)

17 山本 廉 20歳/180cm/70kg/13試合0得点(関西1部)/復帰(和歌山)

25 佐藤 祥 26歳/174cm/71kg/31試合2得点(J3)/新加入(群馬)

32 荒井 秀賀 20歳/170cm/68kg/2試合0得点/3年目

OUT▶︎

・枝村 匠馬(契約満了→藤枝)

・へニキ(山口)

・古波津 辰希(契約満了→栃木シティ)

・ユウリ(期限付き移籍期間満了)

・寺田 紳一(契約満了→おこしやす京都AC

 

浮沈の鍵を握るチームの核

 昨季試合出場を重ねた選手の多くがチームを去り、ニューカマーが名前を連ねたCH。新加入の禹相皓佐藤祥、下部組織出身で今年からチームに加わる明本考浩山本廉、怪我からの復帰を目指す岩間雄大荒井秀賀の6人が二枠をかけてしのぎを削ります。

 

 CHにはボールを奪うための球際の強さや90分走りきる運動量、奪ったボールの展開力のほか、常に的確な判断をし、味方を動かす高い戦術理解度も求められます。

 昨季終盤、前線からのプレッシングが機能した背景には、ユウリや枝村の抜け目ないスライドやカバーリングがありました。オンザボールにならず、黒子に徹したまま一連の流れが終わることも少なくありませんでしたが、前線からのプレッシングを後押しするという意味では非常に価値があり、無くてはならないプレーでした。

 プレッシングスタイルを掲げる今季は、ボールエリアの球際の激しさも重要ですが、CHの気の利いた動き方にもぜひ注目してほしいと思います。

 

 不安材料を上げるとすれば、ボールを持たされたときにどれだけ有効なアクションを起こせるかという点。

 昨季終盤の流れを踏まえた今季は、多くの試合で相手よりも低いボール支配率になると思いますが、それでも長いシーズンのなかではボールを持ててしまう試合もあると思います。

 今季のCHのラインナップを見ると、球際の強さや運動量に定評のある選手が多く、どうしてもクリエイティブなイメージのある選手は少ないという印象です。テクニカルな選手だと西谷優希もトレーニングマッチなどで起用されていることから対応可能だと思いますが、引き切ったブロック守備を掻い潜っていくのは簡単ではありません。個々のクオリティだけに縛られず、指揮官がどれだけ多くの引き出しを持ち、それをピッチ上に表現できるかという点も問われるでしょう。

 

 今オフ最も激しい入れ替わりがあったためレギュラー争いはゼロからのスタートとなります。個人のパフォーマンスもさることながらユニットとしての補完性、そしてチームのなかでの機能性が重要視されるポジションなだけに、どのコンビがチームの核になっていくのか楽しみです。

 

 

■SH

11 平岡 翼 24歳/165cm/62kg/15試合0得点/2年目

14 西谷 優希 26歳/165cm/60kg/18試合0得点/3年目

18 森 俊貴 22歳/178cm/71kg//新加入(法政大学)

21 大﨑 淳矢 28歳/168cm/64kg/27試合4得点/2年目

24 和田 達也 25歳/164cm/61kg/8試合0得点/5年目

37 早乙女 達海 20歳/174cm/69kg/13試合9得点(東北1部)/復帰(弘前

OUT▶︎

・廣瀬 浩二(引退)

・西谷 和希(徳島)

・浜下 瑛(徳島)

・三宅 海斗(契約解除→鹿児島)

 

調子を指し示すバロメータ

 現役生活に幕を下ろした廣瀬浩二や地元出身の西谷和希など長年チームの顔となった選手に加えて、右サイドのスペシャリストになった浜下瑛が退団しました。セット取り許すまじ。本職SHの新加入は下部組織出身の森俊貴のみに留まりましたが、有馬幸太郎明本考浩、既存戦力では榊翔太大島康樹らもこのポジションで計算されているということでしょう。

 

 今年掲げる「ストーミング」は前線からのプレッシングが大事なのは当然ですが、個人的には「帰陣するスピード」が最も重要になると考えています。これは、敵陣深くに迫った攻撃後や前からのプレッシングを外されたときに、思考を切り替えて正しいポジションを取り直す速さを意味します。

 SHには相手を追い込むためのプレッシングの矢の一つとしてのプレーのほか、自陣深くから敵陣深くまでを上下動するタフネスさが求められます。本質的にアタッカーであるSHにとって守備タスクは苦手なジャンルだと思いますが、献身的な守備を継続して行うことで、守備からチームの機能性を高めてほしいと思います。

 

 

 左SHのレギュラー争いは大﨑淳矢が再筆頭でしょう。左SBの瀬川と組んだ左サイドは昨季終盤のストロングポイントになっただけに、今年もハイレベルのパフォーマンスが期待されます。長身選手の周りを衛星的にプレーするアタッカーの一角として得点数にも拘ることで自身の価値を高めてほしいと思います。

 次点を争うのが榊翔太と森俊貴。献身的なプレッシングが持ち味の榊は最前線を主戦場とするプレーヤーですが、FWとして左サイドからも得点に絡む活躍を見せられると頼もしい存在になると思います。プレシーズンのトレーニングに出遅れた感のある森は、まずは怪我をしない体を作りつつ途中交代から出場を重ねたいところ。

 

 

 右SHには様々な特徴の選手が集まりました。

 本職ではありませんが開幕スタメンを飾る可能性があるのが下部組織出身の明本考浩。年代別代表にも選出されたことのある明本は豊富な運動量とスタミナが武器。アウトサイドでのプレーは未知数ですが、トランジションや中央からの攻撃をテーマとするチームに適応しそうな逸材です。

 昨年の天皇杯インパクトが強い有馬幸太郎は右サイドからカットインして左足を振り抜けるアタッカー。最前線としても計算できる平岡翼は自慢の快足を生かして、まずはJ2初得点を上げたいところです。チームとしての機能性を考えれば運動量があり高い戦術理解度とユーティリティ性を兼ね備える和田達也の存在も見逃せません。

 

 

 今季もSHには両サイドでプレー可能な選手を多く編成しているため、試合ごとに様々な選手が起用されると思います。左サイドの大﨑の牙城を崩すのは誰か、右サイドでどんなタイプの選手がはまるのか。周りの選手との連携も含めて、攻守においてチームを牽引する活躍に期待したいと思います。

 

 

 MF(CH、SH)編はここまで。FW編は開幕直前の更新になると思いますが、そちらもぜひご覧ください!