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【マッチプレビュー】J2 第21節 栃木SC vs FC町田ゼルビア

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 リーグ戦アウェイ初勝利をかけて徳島へ乗り込んだ前節は0-1で敗戦。ボール保持に長ける相手に強度の高いプレスからペースを握る時間も作ったが、前半に喫した1失点に泣いた。公式戦アウェイ3連戦を終え、一週間の準備期間を経て今節に臨む。

 今節ホームに迎えるのは首位を独走するFC町田ゼルビア。現在栃木の倍以上となる勝ち点45を積み、2位とも勝ち点差を大きくつけ、念願の昇格に向けて視界良好である。前節は上位の長崎に4-1で勝利し、まさに力の差を見せつける格好となった。

 町田の強みはその長崎戦でともに2得点の活躍を見せたミッチェルデュークとエリキの外国籍FW陣だ。現役オーストラリア代表のミッチェルデュークは圧倒的なポストプレーの強さで町田の攻撃を牽引し、エリキは抜群のスピードとゴール前の嗅覚で得点を量産する。彼らに自由を与えてしまえば、失点のリスクは必然的に高まってしまうだろう。

 仮に徹底マークで抑えられたとしても、彼らに続く2列目やベンチにも実力ある選手が多く在籍している。世代別代表に名を連ねる藤尾や平河のほか、ここまで5ゴールの荒木など得点感覚に優れた選手たちからは目を離せない。全方面に守備の集中を最大まで高めることが必要である。

 栃木として狙うべきは岡山戦の再現だ。屈強な選手を相手にチーム全体で戦う姿勢を押し出し、最後の最後までボールに食らいついた前回ホーム戦の良い感触を蘇らせたい。目の前の相手に負けない、自分自身がボールを奪ってやる。一人一人が強い気持ちを持って闘うことが必須事項だ。そうしてイーブンの時間を長くすることでわずかに見えてきた好機を確実にものにしたい。

 その意味でFWには少ないチャンスを決め切る決定力がいつも以上に求められる。ブレイク寸前の根本をはじめ、天皇杯で強靭なフィジカルを見せた宮崎、出場機会を増やしている小堀など、特に前線の選手にはゴール前の精度を求めたい。そこにクロスやパスを入れる出し手も同様だ。リーグで最も堅牢な守備を誇る相手を破るためにも、一本のパス、一本のクロス、一本のシュートにこだわっていきたい。

 正直、今の町田は隙のない首位に相応しいチームだ。試合終了間際に勝ち越して土壇場で白星を手にする「昇格するチーム」の勝ち方を何度も経験している。そんな町田に勝利するためには劣勢を強いられても粘り強く焦れずに戦い、ファイティングポーズを取り続けることが何よりも大事である。DF吉田は岡山戦の栃木の応援に鳥肌が立つようだったと述べている。ホームの声援で選手を最大限後押しし、前半戦の最終戦を首位撃破で締めくくりたい。

 

※ J2 第21節 FC町田ゼルビア戦で配布されたココグリに寄稿した記事になります。