栃木SCのことをより考えるブログ

主に栃木SCの試合分析(レビュー)をします。

【最後の一押し】J2 第26節 栃木SCvsツエーゲン金沢

お初にお目にかかります。

 

 最近少しずつ栃木SCについて分析レビューを書きたい欲が湧いていたところ、とうとうブログを始めてしまいました。

 サッカーの分析については素人ですし、ある意味ただの自己満足なので大目に見ていただければ幸いです。

 

 

 さて、本題に。本ブログ一発目は第26節ツエーゲン金沢戦。両チームのスタメンと配置は次のとおり。

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 前節はスコアレスドローに終わった両チーム。ホームの栃木はDF西河・FW浜下に代えてDFパウロンとFW西谷優がこの夏加入後初スタメン。アウェイの金沢はDF廣井・沼田・MF大橋・宮崎に代えてDF石田・作田・MF藤村・清原がスタメンとなった。藤村は警告累積による出場停止明け。今節はミッドウィークに試合があり中3日だったことから両チームともメンバーを変更してきた。

 

 

◆前半◆

左右非対称な形からビルドアップを図る金沢

 序盤はリスクを冒さずにロングボールを多用する両チーム。栃木はへニキ、金沢は垣田をターゲットに少ない手数でフィニッシュまで持ち込もうとした。

 

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 次第にボールを保持するようになった金沢は、両SBの位置取りを左右非対称にしたビルドアップを試みる。左SBの毛利はあまり高い位置を取らずにハーフスペース(ピッチを縦に5分割した2番目と4番目のエリア)に位置し、3バックを形成。それとは対照的に右SBの石田は大外レーンで高い位置を取っていた。この配置はおそらく栃木の前からのプレッシングに対して後ろに枚数を確保する&金沢にとって要注意の西谷和を押し込み、栃木の攻撃の起点を下げさせる狙いがあったのだろう。

 金沢はCBを中心に左右にボール動かして栃木のプレッシングを掻い潜っていく。これに対し栃木が自陣に引いてブロックをセットすると、金沢はそれに呼応するように左SBの毛利がラインを上げ、最終ラインでは大黒vs2CBの数的優位を確保しながら栃木を押し込んでいく。地上戦が行き詰まると、右サイド深い位置で質的優位を生かした空中戦を仕掛けて高い位置を取るなど徐々に主導権を握っていった。

 

◎へニキのアグレッシブさのメリット・デメリット

 序盤から押し込まれた栃木は、大黒・西谷和・へニキを起点にプレッシングを開始する。特に顕著だったのはへニキ。ボランチの位置からタイミングを見て最前線まで出て行くスピード・迫力は金沢にとって十分脅威だっただろう。

 

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 ただ金沢はスカウティングの時点でへニキが前に出てくることは織り込み済み。前半24分のシーンでは藤村がCBの左に流れ3バックを形成。人に対しての意識が強いへニキを釣り出した上で、ボールを右へ送る。右SBの石田から空いた岡﨑の脇のエリアに引いたマラニョンがボールを受けると、周りの選手とのコンビネーションから突破を図ろうとした。このシーンは栃木の中央を締める守備でなんとか対応はしたが、岡﨑のもう一方の脇のエリアには左SHの加藤が侵入するなど、チームとしてへニキの開けたエリアを突いていこうという狙いが見えた。

 

◎栃木の左サイドvs金沢の右サイド

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 栃木は前半19分に負傷した和田に代わって夛田を投入。押し込まれるなかで交代枠を1枚使い、このまま苦しい展開が予想されたが、この交代後左サイドからチャンスを創出していく。前への推進力のある夛田は西谷和との連携を見せながら左サイドを攻略。前半31分のシーンは夛田の裏抜けと西谷和の粘りから庄司のハンドを誘いPKを獲得した。(金沢にとっては少し厳しいジャッジか)

 夛田と西谷和の流動的な動きに加え、通常夛田にマークに付くべき清原が遅れたこともあり、金沢は数的同数だったにも関わらず守備で後手に回ってしまった。

 

 栃木はこのPK奪取から大黒が決めた1点を守りたいところだったが、前半40分に金沢に痛恨のPK献上。右サイドからの侵入に服部が対応し切れず垣田を倒してしまいファールに。PKからマラニョンにゴールを許し、1-1で前半を折り返した。(井上主審のナイスジャッジでした。)

 

 

後半

◎レーンを超えた動き

 後半はじめからペースを握ったのは栃木。前半同様左サイドからの攻撃でゴールに迫ろうとする。特に後半最初のチャンスとなった後半3分西谷和のミドルシュートに至ったシーンは西谷優のレーンを超えた動きがキーとなっていた。

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 西谷和のシュートに至る直前のシーンを見ると、西谷優がポジションを大きく変えていた。通常は右シャドーに入り、大黒やへニキの近くでプレーすることが多い西谷優だが、このシーンでは大外左のレーンまで移動し、図の円で囲ったエリアでは4vs4が形成されていた。

 金沢はゾーンを維持しながら右CB、右SB、右ボランチ、右SHの4人でゾーンを組もうとするが、右CBの庄司は作田と共に大黒を挟み込むタスクがあり、大きくアタックには行けない。結局はMF加藤がギャップを埋める役として最終ライン付近にポジションを取り、人数では同数になったが、次第にゾーンでのマークの受け渡しが曖昧になり、最終的に西谷優からパスを受けた西谷和がカットインから藤村をかわし、梅鉢が寄せ切る前にフィニッシュまで持ち込む形となった。

 西谷優の大きくポジションを変える動きは前半はなかったが、後半に入ると上図の後半3分に加え後半14分にも見られた。ハーフタイムの指示だったのか、それとも個人の判断で西谷和とパス交換できるような近い位置を取ったのかは分からないが、いずれにせよ前半以上に左サイドからの攻撃は質量共に厚みを増していった。

 

◎右サイドから活路を見出そうとする金沢

 栃木は後半17分に浜下を投入。交代直後から攻守に判断の良さを発揮し、それに呼応し味方もどんどん前から嵌めていこうという展開になった。

 栃木としては、是が非でもこの流れで得点を挙げたいところだったが、決め切れないと劣勢になっていくのがサッカー。金沢は、プレッシング後に戻り切れなくなった栃木の左サイド奥、金沢にとって右サイドを素早く突いていく。石田のランニングからのクロス、清原のクロスから垣田が飛び込むシーンなど後半35分頃から何度もチャンスを作り続けた。

 

 互いに運動量と高いインテンシティを維持しながら追加点を狙ったが、最終的にこのまま1-1で終了。栃木は後半戦に入ってから無敗を継続したが3試合連続ドローとなった。

 

最後に

 3連戦の最後、ホームでなんとか勝ち切りたかった。ただ、苦しい夏場の連戦の最後の試合で、守備一辺倒にならず自分たちからアクションを起こして試合を作ろうとした点は非常に良かった。 あとは得点だけ。最後の一つのプレーで勝敗が決まるだけに、自分もサポーターとして全力で後押しをしたい。

 最後に、初投稿で拙い文章になっていたかもしれませんが、ここまでご覧いただきありがとうございました。