栃木SCのことをより考えるブログ

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【栃木SC】チーム編成についてアレコレ考える②(GK編)

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 長いオフが終わり、間もなく開幕を迎えるJリーグ。試合日程が発表されたことで遠征計画を練りながら開幕を待ち侘びるサポーターも多い時期だと思います。チームは現在宮崎でキャンプを行っている最中ですが、公式や選手のSNSからは雰囲気の良さや若手とベテランの距離の近さなどチームの一体感が伝わってきます。トレーニングも含めて、今のところポジティブなプレシーズンになってるのではないでしょうか。

 前置きが長くなりました。今回は前回の移籍動向編に続いて第二弾、ポジション別の戦力分析です。まずはGK編。新シーズンの予習にぜひご覧ください。

 

移籍動向編はこちらから

 

GK

1 川田 修平 25歳/189cm/82kg/9試合6失点/5年目

22 塩田 仁史 38歳/185cm/78kg/5試合4失点/新加入(大宮)

31 大野 哲煥 26歳/186cm/82kg/0試合/新加入(千葉から期限付き)

OUT▶︎

・ユ ヒョン(契約満了→水原FC

・浅沼 優瑠(期限付き期間満了)

 

横並びのGK陣から抜け出すのは誰か

 昨季MVP級の活躍を見せたユヒョンと途中加入の浅沼優瑠が退団。新戦力として大宮から塩田仁史、千葉から大野哲煥が加入し、在籍5年目を迎える川田修平とともに今季も3人体制の陣容となりました。

 

 

 昨季終盤からの継続路線を掲げる今季、正守護神として最も呼び声が高いのは川田になるでしょうか。

 大宮ユース出身ながらプロ入り後は出場機会に恵まれず、J3も経験した苦労人は、昨季終盤にスタメンに定着すると、広い守備範囲と抜群のシュートストップで逆転残留に大きく貢献。ユヒョンの負傷離脱で募った不安を一蹴するプレーぶりには、多くの栃木サポーターに勇気を与えました。

 今年から背番号『1』を任されたのは正守護神への期待の表れでしょう。近年はベテランGKを軸にすることが多かった栃木ですが、川田の成長は育成型クラブとしても非常に意義のある世代交代になるのではないでしょうか。

 

 

 川田にとって大宮時代の先輩にあたるのが新加入の塩田。

 最大の特徴は、長いプロ生活で培った豊富な経験をベースとしたコーチングです。ここまで何度かトレーニングを見学しましたが、歴代の栃木の選手のなかでもコーチングの声量、明確さともにトップクラスの印象を受けました。

 ストーミングを掲げる今季は、プレッシングによって相手に圧力をかける場合も、リトリートしてスペースを消し中央を封鎖する場合も、当然ながらチーム全体が狙いを共有して連動する必要があります。ピッチ全体を見渡せるGKのコーチングがチームを正しい方向に導くことを考えれば、そこに強みのある塩田の存在は非常に大きいと言えます。

 戦術の浸透が求められる序盤戦や不調に陥ったときなど、チームとしてターニングポイントとなる時期に出番が増えるのではないでしょうか。

 

 

 出場機会を求めて千葉から加入した大野には、早い段階で栃木デビューを飾ることが期待されます。

 昨季は公式戦の出場はゼロ、天皇杯で1試合ベンチ入りしたのみと、不調なチームのなかでもチャンスを得られずに不完全燃焼なシーズンとなりました。千葉ではGKにも攻撃面のタスクを求められていたこともあり、その点で「ペナルティエリア外もなんのその」なライバル達との争いに勝てなかった印象があります。

 それと比べれば栃木ではよりGKとしての能力が求められるだけに、2018シーズン終盤のような活躍を見せることができると、自ずと出場機会は増えてくるでしょう。川田、塩田ともに昨季の出場数は少ないですし、チャンスを掴むことができれば大きく飛躍する可能性もあると思います。

 

 

 最終的に20位で終わった昨季でしたが、失点数53はリーグで11番目の少なさ。なかなか勝てないチームのなかで失点の少なさこそが残留を手繰り寄せる大きなポイントとなりました。その立役者がユヒョンであり川田でした。勝ち点をもたらせるGKの存在は非常に価値が高いと言えます。一枠しかない激戦のポジションですが、競争していくなかでその価値を高めていければ、チームとしても良い結果を得られるのではないでしょうか。

 

 

 GK編はここまで。DF編以降は開幕までに順次更新していきますので、そちらもぜひご覧ください。では。